他者の幸福を願うことは、自身が痛みを負うこと
自身の幸福を願うことは、他者に傷みを与えること
私の不幸は誰かの幸福となり、
誰かの不幸は私の幸福となる
幸福は、他者の不幸によって支えられている
どういう付き合いであれ、常に相手は自分の鏡
自分の目に映るものは、自身の姿
互いに相手の中に何を見ていたのか
それは、単純に自身の欲するもので
そしてそれは、単なる主観に過ぎない
ありのままの姿と理想の姿は違う
その違いに戸惑うのはいつも自分自身
時間の経過や起こる出来事の中で、知らなかった自身の姿が浮き彫りになり
そのことに耐えられずに逃げることが多いのは
真実の自分の姿に向き合うことほど、この世で恐ろしいものはないから
すべては対象があり初めて認識されるもの
善は悪があるから善であり、男は女がいるから男であるように
表在するものの裏には必ず相反するものの存在がある
その反するものに対して許容出来ないのが常であり、
もちろんそのことは非難されるものではないが
その対象なくしては自身さえも在り得ないということを理解するにはかなり苦悩を伴う