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中田英寿
2007年12月10日



現役引退後の彼はやはり私の求めている姿であった。



世界を旅する彼が何を考えているのか興味があった。
「自分に何ができるか知るために世界を見ておく必要がある」
彼の答えたその言葉に涙が出た。
やはり彼はそう考えていたんだ!
ずっと以前から彼は自分にとって尊敬する人であり、自分のずっと先を走っている人。
どんなに世界がひっくり返っても自分が彼を追い越すことはできないと感じていたがやっぱりすごいと実感。
人間が大きいと考え方や心も大きくなり、自然と彼の背景には世界が似合うようになるのだろう。
自分の未熟さをさらにはっきりと認識させられた。
彼と自分の結婚観が近くてちょっと安心した。
多くの哲学者や宗教家がそうであるように彼もまた結婚の必要性がなくなっているのだ。
人間として生きるようになっているから。
人として愛し合うことに男女差はない。もちろん異性との恋愛はするが、それもあくまで人としての距離感や互いの尊重に基づいた自立した関係であるのでそれには形や制度、約束や契約のようなものは全く必要ない。
価値観についても、経済的に豊かなことと心が豊かなことは違うとはっきり認識しているようだった。
昔からそうだが彼は多くを語らない。
たくさんの考えや思いのほんの一部の結論に近い部分だけを言葉にする。
そのスタイルはまだ私には未熟でできないけれどいつかそうなれたらなあ。
結局多くを語っても理解できない人は理解できない。
そしてそこで理解を求めたりしないので多くを語る必要性がないのだ。
それより自分が何をしたいか、何ができるか、何をやるべきか。
そこに焦点絞って生きている。
どんなに有名になってもそのスタイルを保てる彼が精神的にどれだけ強い人間かが判る。
彼の中のソレアをはっきりと感じた。

世界を旅して視野が広がり、彼はまた日々成長して進んでいくのだろう。
決して縮まらない距離ではあるが、遅れをとらないように前に進んでいかなければと
自分に言い聞かせた。

Posted at 20:52 │あおい