本当のことが知りたい、と彼女が言った
一瞬で涙がこぼれた
彼女は勇気と言い
私は覚悟と言った
多くは語らずとも二人にはそこに何が存在しているのか
その先に何が存在しているのか
互いに人生を感じあっていた
Poquito a poco だよ
その言葉に私の迷いは少し救われた
ポルトガル
初めて足を踏み入れたポルトガルは熱く心に残る国となった
その町は国境こえてすぐのボルバ
そこを第二の故郷とするモンティが連れて行ってくれた
土地の印象は、そこに流れる空気や出会う人々の人柄で決まってしまう
ボルバの空気は内陸にも関わらず海へ向かっている感じがするのは
大航海時代の記憶が流れているからだろう
出会ったモンティの友人たちは
男の強さと愛を感じさせる穏やかで静かなぬくもりの人たちであった
言葉にはしないけれども秘めた男の友情に
ただただ去りがたく涙の別れであった