冷たく刺すような寒さのなか
冬の空に浮かび上がっている三日月は真白であった
ティエリーが言った
日本の月はアマリージョ(黄色)
でもヨーロッパの月はブランカ(白)なんだよ
オルセー美術館
普通は半日で回るらしいが私は一日かかった
時間のかかる私をティエリーはずっと見守っててくれた
ピサロやシスレーやモネは暖かい
セザンヌは冷たい
幼いころからずっと見続けていたミレーの晩鐘は思い出で心がいっぱいになった
なにより、ゴッホは目が覚めるほどのエネルギーがある
生命を感じる
生きるということが描かれてある
彼が何を伝えたかったのか
自分の心の扉を広げてしっかり受け取らなければと必死になった